小さな会社を経営しています。とはいってもSOHOで、なんとなく法人化したという感じです。
経理関係は以前は地元の税理士さんにお願いしていましたが、月々支払う契約金が高いのと、引越しをし、定期的に税理士事務所に行くのが難しくなったのもあり、契約を解除しました。
そもそも、経理関係は税理士さんに任せっぱなしで、税についても知識が身につかず、自分の会社のことなのに言われるがまま払って、自分で良くわかってないというのは恐ろしいことだな、ということもあり、本年度は自力でやってみることにしました。
逆にこういった作業は、売上が発生するわけではないので、社長自ら時間を費やすのは不毛!
さっさとプロに任せて、自分は営業活動に集中した方がいい、という考えもあります。
私の場合は、お任せする金銭的な余裕も、税理士を見つける時間的余裕もありませんでしたから、まずは一期だけでも自分でやってみよう、と考えたわけです。
お恥ずかしいことに、税理士さんをつけないと定期的なチェックも入らないので入力や仕分け作業の期限がなく、この1年、経理関係は全く手を付けていませんでした。
そして、私自身、病気をしてしまい、法人ではありますが法人活動はほとんどできていませんでした・・。
なので、決算期を迎え、法人税申告書の提出期限間近になって、慌てて着手した次第です。
したがって、この記事の参考になる人は、私のように個人で会社を行っており、小規模で、自分で法人税申告書を作りたいという人向けです。
驚くことに、(自力で行う)法人税申告書の作り方って検索してもほとんど出てこないんですよ。
皆さん自力でやらないのですね。
法人税の計算や申告書の作り方が難しいのがそのせいですが、私はてっきり専用のソフトがあったりエクセルのデータがその辺に落ちていて、サクサクッと出来るものだと思っていました・・^^;
さて、話を戻しますと、まずは一年の経費入力から始めなければなりません。
会計ソフトを探す
恥ずかしながら1年の経費関係を野放しにしてきました。
会計ソフトを探すところから始まります。
(ただ、後述しますが、今後しばらくは税理士さんにお願いしないで、自分で法人税申告書まで作る場合は、会計ソフト選びは、法人税申告書ソフトに対応しているか、で選んだ方が良さそうです。)
会計ソフトで有名なのは弥生会計ですが、インストール版のスタンダードで42,120円。
長い目で見ればお得なのでしょうが、赤字でこの1年ほとんど営業活動ができておらず、急いで決算処理を迎えている私にとっては大きな出費になります。
流行のクラウド版では法人用だと年額28,080円(セルフプラン)or32,400円(ベーシックプラン)で2か月無料体験ができます。
ただ、月支払にはならないので、一括で支払いということになります。
う~ん・・痛い。これでも痛い。
ってことで、次に考えたのがfreeeです。
クラウド会計に強いようで、最近人気の会計ソフトなのだそうです。
魅力的なのは、金額でした。一番安いプランで月額2,380円。年額支払で23,760円。
年額の方がお得ですが、わらにもすがる思いの私にとっては、月額払いにできるのが良いです。
マネーフォワードがやっている「MFクラウド」の法人向けのライトプラン月額1,980円も安いです。
クラウドはネット回線を利用するので、複数台のパソコンで処理できるのがいいですよね。
最近ではスマホでもできるので、出張中だとか、出先でもできてしまうわけです。
freeeやMFクラウドは、銀行口座やクレジットカードのデータから仕訳を付けてくれるのが便利です。
どちらも完璧ではないですが、少なくとも入力の手間は省けます。
いづれもソフトも個人の確定申告なら安いですが、法人となるとやや高くなります。
また、サポートの有無で金額も変わってきます。
小規模の法人ならば一番安いので全然大丈夫だし、サポートと題してチャットやメールサポートを謳って上位バージョンが良さそうに見えますが、個人的にはサポートも・・いらないかなって感じました。
というのも、いづれのソフトもヘルプが充実していますし、検索すると出てくるので、取り立ててサポートを使わない可能性が高いからです。
また、会計ソフトの選び方として、最終目的は決算書を作ることと、法人税申告書を作ること。
多くの会計ソフトでは決算書まで。法人税申告書は別途、別のソフトを用意しなければならないので、法人税申告書との連動を考えて逆転の発想で会計ソフトを選ぶのもありだと思います。
正直言うと、会計ソフトは、会計の方法自体にはそれほど違いはないと思います。
仕訳を知っているのなら、それほど面倒ではないです。
大規模な法人だったら、数は増えるかもしれませんが、私のようにSOHOの場合、会計の量もそれほどではありませんし、それほど複雑なものもないです。
そもそも、私が決算処理に着手し、会計ソフトを選択する段階で、「決算書」=「法人税申告書」だと思っていたんです。
なので、決算書が作れればいいやぁ~♪と。
今まで税理士さんに丸投げしていると、こういうことになるのですね・・^^;
言っていることが良くわからない人のために解説すると、決算処理というのは、決算書を作った後、法人税申告書と共に管轄の税務署に提出するまでのことを言うわけです。
でもって、法人税申告書の書類は、今までだったら税理士さんがオンラインで提出してくれていたんですが、今回からは自分でやる。
前回オンラインで行っていると紙ベースのものが郵送されてこないので、手元にもない。
もし手元に郵送されてきたって、どんな数字を書けばいいか、素人だとちんぷんかんぷんなのですよ・・。
したがって、まず、目的が税理士さんにお願いしないで法人税申告書を作ることならば、法人税申告書が作れるソフトに対応した会計ソフトを選ぶべきです。
↓結論。私はfreeeを選びました。
法人税申告書を作れるソフト一覧
ラクラク法人税 /ミコシドットコム
価格:年額10,800円
対応会計ソフト:パッケージ版の弥生会計
利用初年度は完全無料で使えるそうです。ただし、パッケージ版の弥生会計は4万円オーバーです。
ミコシさんのサイトがしょぼいので、対応がいつまで続くかが少々不安です^^;
全力法人税 /ジャパンネクス
価格:初年度19,800円/翌年度以降10,000円
対応会計ソフト:freee、MFクラウド会計、弥生会計(パッケージ版)
こちらは元国税調査官監修というのが特徴。
ソフトウェアというか、会員登録してサイト上で作成を仕上げるクラウドタイプのサービスです。
後述しますが、私はfreee&全力法人税の組合せで乗り切りました。
freee、MFクラウド会計、弥生会計(パッケージ版)の決算書から自動で法人税申告書を作成できます。
したがって、会計ソフトを変えてもこちらが使えるこということです。
ヘルプも充実していて大変便利でした。
税理士いらず
価格:初期費用16,200円 2年目以降:年5,400円
対応会計ソフト:税理士いらず
会計ソフト&法人税申告ソフトが一体になったソフトです。
調べた限り、両方シームレスでできるのはこのソフトのみ。
他は会計は会計、申告書は申告書という感じで二つを行き来しなけらばならないのです。
そういう意味では一番安くできるのもこのソフトです。
ただし、資本金1億円以下で事業所は1つだけ、税額控除は不要、複雑な申告調整がない、消費税は税込経理で処理している、という限定つきですが、小さな会社はほとんどこれに該当しているのではないでしょうか。
ただ、リリースしている会社が余り知られてないところ、ということと、銀行振込による支払い、その上でライセンスキーの発行になるので急いでいる人には難ありです。
私も最初はこちらのソフトにしようと思ったのですが、もしこの会社がリリースをやめてしまったら次年度からどうすれば?と思ったことと、連休中ですぐにライセンスキーを発行してもらえなかったこと。
ギリギリで焦ってやっていた時期だったので、待てませんでした。
法人税の達人 /NTTデータ
価格:ダウンロード版37,100円
対応ソフト:ほとんどの会計ソフトを網羅
達人シリーズといって、たくさんの申告書作成ソフトが用意されています。
ダウンロード版を購入し、毎年更新料を払う形になっています。
普通法人、公益法人、協同同組合、医療法人など、多くの法人に対応しているので大きい会社でも大丈夫。
ただ、今回は価格が高めなのでパスしました。
その他、いくつか法人税申告書に対応したソフトがありますが、高額なので割愛します。
一番安く法人税申告書まで作れる方法は?
お金が小さな会社にとっては、一番安いのは「税理士いらず」になります。
初期費用16,200円 2年目以降:年5,400円だけになります。
次に選ぶのが、MFクラウド(ライトプラン月額1,980円)+全力法人税の組合せ。
プランにもよりますが、一番安い組合せでMFクラウド月1,980円+全力法人税(初年度19,800円/翌年度以降10,000円)なので単純計算で、@1980円×12=23,760円+全力法人税19,800円で年間で43,560円(次年度から全力法人税は10,000円なので、次年度からは33,560円)※MFクラウドは年額払いにすると多少お得になりますが、ここでは月払いで計算。
次がfreee(ミニマムプラン月額2,380円)+全力法人税の組合せ。(私はこれです)
freeeのミニマムプラン月額2,380円+全力法人税(初年度19,800円/翌年度以降10,000円)。
単純計算で@2380円×12=28,560円+全力法人税19,800円で年間で48,360円(次年度から全力法人税は10,000円なので、次年度からは38,3560円)
※freeeは年額払いにすると多少お得になりますが、ここでは月払いで計算。
税理士さんにお願いすると大体8万~10万くらい
税理士さんに法人税申告書の作成をお願いすると大体8万~10万円くらいかかります。
確か、私がずっと契約していた税理士さんと契約を解除する際に「法人税申告書だけなら7万円くらいでやりますよ」とおっしゃっていました。
きっと、最低価格で7万円~という価格だと思いますので、一般的には8万円~くらいじゃないでしょうか?
そうすると、自力でやると大体3万円くらいは経費削減できるわけですね。
そうなると、時間の削減で税理士さんにお願いした方がいいんじゃないの?と思われると思いますが、税理士さんに単発単発で仕事をお願いするのってちょっと気が引けます。
また、自分の法人の金額を見られるのもイヤでした^^;(スゲー赤字だから)
またまた、税理士事務所に出向くのも面倒でした。
またまたまた、税理士さんって月々の会計業務もお願いして、月15,000円くらいで顧問?になってくれるんですが、そう考えると月15,000円×12か月+決算時に80,000円で(中間決算の時に何かあったかも。年末調整のときも。)最低260,000円くらいかけていたのが、5万円程度で収まるのならば、大幅に経費削減だということはお分かりいただけると思います。
もちろん、売上があがって儲けが出るのであれば、ぜひ税理士さんにお願いするべきだと思います。
ただ、経営初心者や税についてもちゃんと知りたい、会計についても知っておきたい、という人は一度は自分でやってみる価値はあると思っています。
さて、今回自分で法人税申告書まで作り上げて分かったことは、法人税申告書の作り方など、ほとんどサイトがない、ということ。
やろうと思えばエクセルの自動計算とか、フリーソフトとかでできそうなものだけど・・きっと毎年税率や書式が変わることで、無料では対応できないのと、中身が複雑なのだろうと思います。
サイトの大体が自力で作るのは面倒だ→税理士さんにお願いしよう!という流れでした。
税理士さんのお仕事を取るわけにもいかないし、税務署も税金逃れを防ぐためにも、きっと第三者に入ってもらうのはウィンウィンなんでしょうね。
話がそれてしまいましたが、わたしはfreee+全力法人税で法人税申告書まで作り上げ、郵送にて送って、今のところおとがめなしです。
なぜMFクラウドにしなかったか、といえば、特に理由はありませんでしたが、なんだか色々調べたらfreeeをオススメしているサイトが多かった(後で調べたらアフィリエイトができていたからかも)というのと、法人税申告書まで作ってくれて、そのままオンラインで提出ができると勘違いしていたからです。
それほど切羽詰っていた&無知だったということです。
流れとしては
1.freeeで会計を行い、決算書まで作ります。
↓
2.データをエクスポートして、全力法人税に取り込み、法人税申告書まで作成。
↓
3.決算書&法人税申告書をそれぞれの役所へ郵送
実際には、freeeから全力法人税のやり取りを何度も行き来しました。
間違ったデータがあると当然、数字って変わりますから、何か修正したら最初からやり直しです。
全力法人税で出来た法人税申告書を眺めて、あれ?と思うことがあってfreeeで修正する、というような感じでした。
思ったよりも時間はかかりましたが、慣れてしまえば結構いけそうな気がします。
全力法人税はウィザード形式で作っていくので、難しくないです。
参考↓会計freeeと全力法人税で法人税申告書を作成してみた
結局、どういう方法を選ぶべきなのか。
比較的安くできる、MFクラウド、freee、税理士いらず、いづれも無料試用期間があるので、時間がある方は少し仕訳を入力してみるのが良いと思います。
それぞれ、会計ソフトのメリットデメリットやクセみたいなものがあります。
MFクラウドとfreeeはクラウドなので、どのパソコンからも入力できるのというのが良い点ですし、税理士いらずは私が陥ったように、申告書を作成中にソフト間を何度も行き来する必要がないでしょう。
無料期間に画面や使い勝手を試してみて、良い方を選ぶといいと思います。
私はfreee+全力法人税で行いましたが、税理士いらずも気になっているので、次回はちゃんと時間を設けて入力作業をしてみたいと思っています。
次回ではfreee+全力法人税で法人税申告書を作るまでの細かい方法と陥ったミスについて書こうと思います。